dagui0655のブログ

主にNBAで過小評価をされているスター選手、優秀なロールプレイヤーについて語っていきます

ダグイのNBA選手名鑑No.4 トレバー・アリーザ

こんにちはダグイです。今回はリーグ屈指の3&D選手であるトレバー・アリーザ(SF)について紹介します。アリーザはあまり目立つことはありませんがどこのチームも欲しがるような優秀な選手です。

f:id:dagui0655:20200412180820j:plain

実はレイカーズで優勝を経験しています

トレバー・アリーザことトレバー・アンソニー・アリーザは1985年6月30日にアメリフロリダ州マイアミで生まれました。

アリーザはウェストチェスター・エンリチド・サイエンシズ・マグネッツという高校へ進学し(名前鬼長い笑)彼が在学している間同校は州の大会で32勝3敗という驚異的な記録を残しており、アメリカ全土の高校バスケチームの中では5位にランクインしていました。

1年時は平均12点、12リバウンドのダブル・ダブルをマークし、3年時にはチームリーダーとなり平均21点、14リバウンド、9アシスト、3スティール、3ブロックという驚異的な成績を残しています。

2001-2002年シーズンには後NBA入りするハッサン・アダムス、ボビー・ブラウンらと共にカリフォルニア州の選手権にも出場しており、Rivals.comからはアリーザは五つ星のプレイヤー、2003年時点で5番目のPF、州で18番目のプレイヤーとの評価を受けました。

この年にはカリフォルニア州のミスターバスケットボールに選出されています。

f:id:dagui0655:20200412185042j:plain

3年時のスタッツ本当にえぐいですね……。

高校卒業後は名門UCLAへ進学し、1年時から25試合、内23試合で先発出場を果たし、平均31.6分の出場で平均11.6点、6.5リバウンド、2.1アシスト、チームハイの1.7スティールをマークし、パック10オール・フレッシュマンチームに選出されました。

1年時から主力として活躍したアリーザはその年の2004年のドラフトにアーリーエントリーをし、2巡目43位でニューヨーク・ニックスから指名されました。高校時代からスーパースター級の活躍をしていたのにもかかわらずなぜこんなにも順位が低いんですかね。

f:id:dagui0655:20200412195524j:plain

19歳でデビューしニックスの歴史で史上最年少の選手となりました

1年目は80試合(12試合先発)に出場し、平均5.9点、3.0リバウンド、1.1アシストを記録しました。1年目にしてはまずまずの成績ではないでしょうか。またアリーザは1991-1992年シーズンのグレッグ・アンソニー以来となるルーキーで80試合以上に出場した選手となりました。

しかし翌年ニックスは1巡目30位でデビッド・リーを指名したためアリーザの出場時間は大幅に減らされ、このシーズンにアンファニー・ハーダウェイと共にスティーブ・フランシスのトレードでオーランド・マジックへ移籍しました。

移籍当初は出場機会に恵まれませんでしたがマジック2年目の2006-2007年シーズンは自己最高の平均8.9点、4.4リバウンドをマークしました。

f:id:dagui0655:20200412220014j:plain

最初の3シーズンを2チームで過ごしたアリーザ

2007年にアリーザはブライアン・クックとモーリス・エバンスとのトレードでロサンゼルス・レイカーズへ移籍しました。2008年には右足を骨折して戦線離脱してしまいますがその年の対サンアントニオ・スパーズとのNBAカンファレンスファイナル2戦目で復帰し、出場後の最初の1分で得点を挙げました。復帰後で得点あげるのすごく速いですね(結局カンファレンスファイナルは敗退)。

2009年3月9日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦ではルディ・フェルナンデスにフレグラウンドファウルをして退場となりました。3月15日のシカゴ・ブルズ戦では先発で出場し、当時のキャリアハイである26点に加え、2リバウンド、3アシスト、3スティールをマークしました。

f:id:dagui0655:20200412223651j:plain

レイカーズ移籍後に優秀な選手へと徐々に成長していきました

 

2008-2009年シーズンは出場した80試合のうち20試合で先発を務め、次第にレイカーズにとって重要な役割を果たすようになりました。特にディフェンス面での貢献度が高く、スティールはシーズンを通して137でチームハイをマークしました。

プレーオフでは全試合先発出場を果たし、変わらずディフェンスや3Pなどの地味なところでチームに貢献し、自身初、レイカーズとしては7年ぶりのNBA優勝を果たしました。

NBAファイナルでは当時マジックのSFであるヒド・ターコルーと激しいマッチアップを繰り広げ、ファイナル第5戦では激しい口論によってダブル・テクニカルファウルを取られました。

f:id:dagui0655:20200412223907j:plain

当時23歳で早くも優勝を経験しました

 レイカーズで優勝を経験した後、アリーザはロン・アーテスト(現在はメッタ・ワールドピースへ改名)とのトレードでヒューストン・ロケッツへ移籍しました。ロケッツではレイカーズにいた頃よりも役割が増え、一時期はチームのリーディングスコアラーを担っていました。

4月15日のニューオーリンズ・ホーネッツ戦(現在のニューオーリンズペリカンズ)では26点、10リバウンド、10アシストのキャリア初のトリプルダブルをマークしました。このシーズンは71試合先発出場をし、平均出場時間は36.5分と大幅に増え、平均点は14.9点とキャリア初の平均二桁を超えました。

チームは大黒柱のヤオ・ミンを欠いたこともありプレーオフを逃してしまいましたがアリーザにとっては自己最高のシーズンを送ることができました。

f:id:dagui0655:20200414113203j:plain

怪我で離脱したエースのマグレディから背番号1を譲られ活躍しました

ロケッツでは1シーズンだけ過ごし、翌年の2010-2011年シーズンには当時クリスポール率いるホーネッツへ移籍しました。このトレードにはエースであるポールが移籍をほのめかす発言をしており、チームはポールの移籍を阻止するためにアリーザを獲得してと言っても過言ではありませんでした。

ホーネッツでも先発SFを務め、シュートタッチにはやや波があったもののディフェンス面でチームに大きく貢献しました。2011年のプレーオフでは一回戦で古巣のレイカーズに2勝4敗で破れました。

プレーオフでは自己最長となる平均40分の出場時間で平均15.5点、6.5リバウンド、3.3アシスト、1.3スティールをマークしました。

翌年はポールの移籍が響き、チームは負け越しプレーオフも逃してしまいました。

f:id:dagui0655:20200414114635j:plain

クリス・ポールと共にディフェンスでの貢献度が非常に高かったと思います

2012年6月20、アリーザはエメカ・オカフォーとのトレードでワシントン・ウィザーズへ移籍しました。ウィザーズ1年目はベンチからの出場が多くなり、成績を少し落としました。

2年目から先発に昇格し、2014年2月12日のロケッツ戦ではキャリアハイの10本の3Pを成功させて32点をマーク、3月1日のシクサーズ戦では8本の3Pを含む40点をマークするなど自身のキャリアハイを更新する活躍をしました。アリーザはウィザーズ2008年以来となる6シーズン振りのプレーオフ進出を決め、チームはカンファレンスセミファイナルで敗れました。

f:id:dagui0655:20200414115141j:plain

ロケッツ、ホーネッツ時代とは一転ベンチからの出場が多くなりました

ウィザーズで1年過ごした後、ロケッツ、ウィザーズ、ホーネッツの三角トレードで2014年7月14日に古巣のロケッツへ移籍しチームと4年3200万ドルで契約しました。

ここまで6チームを渡り歩いたアリーザですが、どこのチームでもうまくフィットしているとことを見るとどこのチームも欲しがるような選手だとわかります。

 再びヒューストンへ戻ったアリーザは2018年までロケッツでシーズンを過ごしました。出場した試合全てで先発を務め、変わらず優秀な3&D選手として活躍しました。

2017-2018年シーズンでロケッツはNBAリーグ最高の勝率を残し、アリーザもマイク・ダントーニヘッドコーチ采配のオフェンスに上手くフィットしていました。

その年ロケッツはプレーオフカンファレンスファイナルでその年二連覇を達成したウォリアーズ相手に接戦の末破れました。アリーザはカンファレンスファイナル第7戦で9本の3P全てをミスし、ロケッツ全体でも27本の3Pをミスするというワースト記録を作ってしましました。

f:id:dagui0655:20200414162230j:plain

キャリアの全盛期はロケッツで過ごしました。


Trevor Ariza Top 10 Plays from 2017-2018 NBA Season

そのオフシーズン、アリーザはフェニックス・サンズと1年1500万ドルの契約に合意しロケッツを去りました。ちなみに翌シーズンロケッツは開幕8試合で3勝5敗と大きく出遅れ、シーズンでも昨季の65勝から53勝と勝率を大きく落とし、これはアリーザ放出が一番大きい要因であると言われました。それほどロケッツにとっては重要な選手だったんですね。

2018年11月1日のスパーズ戦では14点を記録し生涯通算1万点を達成しました。

シーズン途中にケリー・ウーブレ・Jr.とのトレードで再びウィザーズへ復帰しました。

f:id:dagui0655:20200414162811j:plain

サンズでは26試合の出場にとどまり、シーズンの途中にウィザーズへ移籍しました

f:id:dagui0655:20200414163029p:plain

アリーザってどこのチームにもフィットしますよね


 2019年7月8日にアリーザはサクラメント・キングスと2年2500万ドルの契約を結びました。キングスでは同じSFのハリソン・バーンズと役割が被るため実に6シーズン振りのベンチからの出場となりました(キングス在籍中の32試合全てベンチ出場)。キングスでは出場時間が減ったこともあってかあまり目立つことがなかったように感じました。また、バーンズとも役割がかぶっていたのでなんでキングスにトレードされたのかよくわかりませんでした。

f:id:dagui0655:20200414200138j:plain

ドレッドヘアがよく似合ってました

1月19日にケント・ベイズモア、アンソニー・トレバーとのトレードでケイレブ・スワニガンと共にポートランド・トレイルブレイザーズへ移籍しました。ブレイザーズのウイングの補強のための移籍でした。

ブレイザーズ移籍後の21試合全てで先発出場を果たし、最初の5試合で平均11.4点、5.2リバウンド、1.8アシスト、1.8スティール、FG成功率53.5%、3P成功率42.1%をマークしチームの4連勝に貢献しました。チームは依然負け越しているもののアリーザ加入後は勝ち星を少しずつ増やしています。

f:id:dagui0655:20200414205214j:plain

ブレイザーズの層の薄いウィングで貢献するアリーザ


Trevor Ariza Trucks Trae Young After Getting Nutmegged

トレイ・ヤングの股抜きドリブルに苛立ち突き飛ばした動画です。後に「2度とやるな」と注意したそうです。

 

以上がアリーザの現在までの経歴です。

最後にアリーザのプレースタイルを分析します。彼の通算スタッツは以下の通りです。

 

総出場試合数:875試合

平均出場時間:29.7分

平均得点:10.5点

平均リバウンド:4.8リバウンド

平均アシスト:2.2アシスト

平均スティール:1.5スティー

平均ブロック:0.3ブロック

FG成功率:42.3%

3P成功率:35.2%

FT成功率:73.2%

 

FG成功率がやや低いですが3Pを多用していることを考えるとそこまで悪くない数値です。スタッツはこれといって目を張るものがありませんがアリーザは数値に現れていない部分での貢献度が高いのでスタッツから彼の素晴らしさはあまりわからないと思います。

 

元々ディフェンス面においての貢献はかなり評価されており、毎試合相手エースとマッチアップをしています。また平均1.5スティールは中々高い数値だと思います。

 

キャリアで9チームでプレーしており、彼のプレーはそこまで派手ではありませんがどこのチームでもスターターを務められて安定したスタッツを残すのは本当に凄いことだと思います。特に今のNBAのプレースタイル的にアリーザのような3&D選手の需要はかなり高くなっているので今後このような選手がたくさん増えてくると考えられます。

 

アリーザはキャッチアンドシュートのシューターなので自らシュートクリエイションを作ることはできませんが今までジェームズ・ハーデンやCP3などの優秀なパサーとプレイしており、現在でもリラードとCJといったスペースを広げられてパスの上手い選手がいるのでその点に関してはあまり気にならないです。

 

そろそろキャリア終盤となったアリーザですが最後まで3Pとディフェンスで渋くチームに貢献してキャリアを終えて欲しいです。


Trevor Ariza's Top 10 Dunks Of His Career


Trevor Ariza (Season High 21 PTS) Highlights | Trail Blazers vs. Mavericks


Trevor Ariza Top 10 Plays from 2017-2018 NBA Season

ロケッツいた頃が一番好きでした。

 

今回は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました!次回の記事でお会いしましょう!